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高須賀優「森のサーカス」

描かれているサーカスの人々は、どれも実在する。

高須賀さんの記憶は、絵を描き始めるとその時々の場面が細部まで蘇り、画面に留める筆が追いつかなくなるほどだ。

錆びた菓子箱のカン、空き缶やブリキの板、ホウロウ看板などに油絵の具で描きあげた絵は、忘れ去られ、放置された入れ物や広告物の記憶までが蘇り、観る者に懐かしさと物悲しさと心地良さをもたらす。

これぞ高須賀さんの世界だ。