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「アフリカと中近東の布」開催中

アートスペース繭の梅田さんからお借りして「アフリカと中近東の布」を展示しています。2月10日(土)から25日(日)まで開催します。

会期中の水曜日は11:00から13:00までBistroKenさんのジビエカレーの日、15日(木)はアジサイ舎の珈琲店が10:00から17:00まで復活です。ランチ(1500円)のご予約も承ります。

キャプションを付けないと展示の価値が半減すると思い、書籍、ネットから付け焼き刃で展示品の概要をテキスト化しました。とても不十分かとは思いますが、以下にそれを示します。

クバ族アップリケ布・草ビロード

 現在のコンゴ民主共和国内に17世紀より、王を含むブショング族を中心に約18の民族集団「クバ王国」があった。この地域では綿花が取れない為、伝統的にラフィア椰子の葉の繊維で作られた衣装が作られてきた。それらの衣装は、ブショング族などが作るアップリケや絞り染め、ショワ族の草ビロードなど、それぞれの民族が独自の技法とデザインを発展させた。

ブショングのアップリケ布

クバ王国の中心をなすブショングの人々が作る布は、ベースの布にアップリケを施して作られている。元々はラフィアの布を叩いて柔らかくする際に空いた穴をラフィアの布片で塞いだことにあるようだ。それが発展し、柄は矢印や円、ブーメランのような形や迷路のような図柄もある。色はラフィアの生成りと現地で手に入る主に草木を原料に構成される。子安貝やビーズを一緒に刺繍したものなど素材のバリエーションや組み込み方は豊富。 ブショングの布は主に巻きスカートとして身に着けるように細長く作られる。女性が纏うンチャク(Ntchak)と、男性が纏うマフェル(Mafel)がある。  マフェルは身に纒う人や死者の地位や力を表すとも言われており、絞り、パッチワーク、刺繍、周囲のポンポンなど様々な技法を組み合わせゴージャスな一枚に仕上げられている。

ショワの草ビロード

ショワ族の草ビロードとは、平織りにしたラフィアの織り目をラフィアのパイルで一目ずつ拾って模様を刺しビロードのような仕上がりの布である。返し針と1ミリほどのパイルカットのみの刺しゅう技法で、織り込まれた幾何学的な文様のモチーフは、生活の中で関わりをもつ身近なものから想起されたものが多く、それぞれの文様には名前がつけられ、繰り返し使われている。公式の場で村のチーフが膝に掛ける。埋葬品にもなっていることから力の証としとされていたようだ。

Dida(ディダ)族のディダクロス

ディダ族はコートジボワール南部、ギニア湾沿岸に住み、主に漁業をして暮らしてきた人々。

 ラフィアの繊維を織った布に絞り染めをしたもの。染料は植物の根や葉、泥が使われている。使われる色は黄色、赤、黒の3色のみ。主に儀式で使用されるもので、筒状の女性用スカート、体や頭に巻きつ受ける一枚布、色々な用途に使われる大きな一枚布など、大きさや形状に違いがある。

 アシャンティ族orエウェ族のケンテクロス

 現在のガーナ共和国に居住するアシャンティ族やエウェ族の伝統工芸による民族衣装。ケンテの織工は今も水平機と呼ばれる織機を使い、その手織りが受け継がれている。この水平機は1015cm程度の幅しか織ることができないめ、 帯状に織り上げた布を横に1624枚縫い合わせて一枚の大きな布にしている。男性は200cm以上もの長さのケンテクロスを体に巻きつけるように纏い、女性は一対で作られた小さめのものを巻きスカートとトップスのようにセットアップで着用する。

 中近東

ベドウィンの衣装

ベドウィンとはアラブア語で砂漠の住人を指し、通常アラブの遊牧民に対して使われる。アラビア半島を中心に砂漠地帯でラクダや羊の遊牧しテントで砂漠を転々と旅するアラブ系民族。
羊の毛から紡いだ糸で機織りし、細かいクロスステッチの刺繍が特徴で、
地域や部族によって刺繍やカラーが異なる